■ イベントごとなどが苦手 ■ 自主性がない
■ 新しい環境ややり方に順応できない
アンタ残りもん食べとき! こんな私って、気分屋ですか?
■ えーっ、そんなにコロコロ変わってるかなあ。 自分では意識してないんですけどねえ。
■ ほんとですかあ? 私の「気分屋」な性分、治るんでしょうか?
■ 同じパターンで生活するって、そんな大事なことなんですか? なんか退屈そうだけど・・・・。
■ 自分に自信をもつために、自分の生活パターンをつくる・・・・。
私って、決まりきったことが苦手だからなあ。
■ 同じ毎日があるから特別な日が喜べる! なんか、平凡な一日が楽しくなりそうですね。
まず、どんなことから始めようかな。
■ そしたら私も目標、つくって頑張ろうかなあ。
うちの子は素質があるから「おもろい子」に育てます! 先生、「ありがとう」!
アンタ残りもん食べとき!こんな私って、気分屋ですか?
おられますね。渡部さんのように阪神の勝ち負けで機嫌がコロコロ変わるお母さん。とくに関西には多いですね。まあ、阪神が勝って機嫌がいいというくらいならいいのですが、勝ったときは子どもにも何でも好きなものを買ってあげて、逆に負けたら子どもにあたったりするというように、極端に勝敗に左右されるとなると、ちょっと行き過ぎですね。
お母さんの機嫌がコロコロ変わると、子どもはいつも不安を感じるようになってしまいます。
それはそうですよね。自分が何かをやったり、やらなかったせいで怒られるのなら、子どもにもまだ理解できます。でも、お母さんの側の理由で、やさしくされたり、叱られたりするのでは、何がなんだかわからなくなります。子どもにとっては、いつ何を言われるのかわからないのですから、お化け屋敷と同じです。次に何が飛び出してくるかわかりません。だからビクビクする子どもになってしまうのです。
そうですね。ご本人は自覚のない場合が多いんです。
コロコロ気が変わるという傾向の人は、アルコール中毒の人のなかにもいます。また、そううつ病のような心の病気のせいでそういう状態になる人も最近は増えてきています。
単なる「気分屋さん」という程度ならいいのですが、その状態がひどくなるとそううつ病、統合失調症になっていきます。そういう病気や病気の一歩手前の人は、お医者さんに診てもらわないといけません。
でも、そこまで病的でなくて、気分屋さんという程度の場合には、普段から気をつけていけば改善していくと思いますよ。
とにかくいまのままでは放っておけば、子育てにとても悪い影響が出ることは避けられません。
まず、渡部さんのしていることには一貫性がないわけですから、ここを改善するために、生活のなかに一貫したパターンやルールをつくってみませんか?
たとえば朝起きてから家を出るまでの行動パターンは決まってますか?これを決めるだけでも情緒が安定してきますよ。
なんでもいいんです。朝起きたらまず靴下をはいて、パジャマを着替えて、洗面台で顔を洗って、お湯を沸かして……。その内容や順序は自分の好みで自分のやりやすいように考えてください。そうやって、ひとつのパターンをつくって、それを自分の生活のリズムにしていくことです。
毎朝同じリズムで行動すること。これだけで子どももすごく安心するようになります。朝起きたらこれをして、次にこれをして……という具合に、やるべきことを覚えて、ちゃんちゃんとやっていけばお母さんにほめられる。子どもには「できた!」という感覚がものすごく大きな喜びになります。そんな子どもの笑顔を見れば、お母さんも同じように喜びが感じられると思いますよ。
朝起きてまずこれをして次はあれをして……。こういうパターンを身につけるということは、自分に対して毎日同じ行為を義務づけること、言い換えれば、自分自身に対する「約束」を毎日守り続けるということです。
毎日、ひとつひとつ約束を守り続けるって、考えたら大変なことですよね。でも、逆にいえば、それが毎日できるということは大きな自信につながります。自分との約束が守れる人は、他の人との約束も守れるのです。
ある意味で、自分との約束ほど守りにくいものはありません。たとえば、毎朝これをしようと自分に約束していて、その約束を破ったとしても、だれにもわかりませんね。約束を破ったとわかるのは自分だけ。だから知らん顔をしておくこともできるのです。
ところが、約束を破ったことは自分自身が一番よく知っています。自分で自分をだましているとわかっているわけですから、当然自分のことは信用できませんね。そうなると何をするにも自信は得られません。
だから、まず自分自身を信用するために、自分との約束を守ってください。それができれば自分のことが信用できるようになり、今度はひとからも信頼される存在になっていきます。そう、あなたの子どもから信頼される「大人」「母親」になれるということです。
自分との約束を守るということは、そういう意味でとても大切なことなんです。そのためにまず生活のリズムをつくることから始めましょうというアドバイスなのです。
毎日決まりきったことをやるなんて楽しくない。そんなふうに思うかもしれませんね。でも、日常生活のたいていのことは決まりきったことをくり返すだけでいいのです。
たとえば通勤路を考えてみましょう。毎朝同じ道を通って、同じ店の角を曲がって同じ駅に着く。そうやって同じことをくり返していると、何時何分に家を出れば、何分で駅につけて、何分の電車に乗れるかという感覚はからだで覚えますよね。
でも、もし、毎朝道順を変えていたら、電車に乗り遅れてしまうかもしれません。
それに、毎日同じことをするからこそ、ちょっとした変化に敏感になることもできます。毎日同じ家の前を通っていれば、いつも見かける生け垣に、昨日はまだつぼみだった植木が花をつけていることに気づくことができます。「一定」があるから「変化」が感じられるのです。その変化を発見することが、ちょっとした感動につながります。
同じことが毎日の家のなかの出来事にもいえるでしょう。
毎日子どもに同じことを言って聞かせていたことが(たとえば「靴下をはこうね」と手伝ってあげていたことが)、ある日突然一人でできるようになった! そんな成長という変化の一瞬を、子どもといっしょに喜ぶことができるのですよ。とってもいいことじゃないですか。
まず、どんなことから始めようかな。
私がいつも幼稚園の保護者の皆さんにする質問のひとつに「どんなお子さんに育てたいですか?」というのがあります。問題を抱えた子どものお母さんは、ほとんどがこの質問に答えられません。コロコロ気が変わる親の場合も同じで、子育てに一本筋の通った理念がありません。
世の中で成功している人はみんな、最終結果指向といって、ひとつのゴールをめざしています。つまり目標をもっているわけですね。金メダルを取る人は偶然取れたのではなく、金メダルを取ろうと決めて努力して取っているわけです。
だから子育てをするにあたっても、「こんな子どもに育ってほしい!」という目標をもってほしいのです。健康な子に育てたい、スポーツのできる子にしてやりたい、音楽の才能を伸ばしてやりたい……なんでもけっこうです。
でも、たいていのお母さんは「目標……?」という感じで、答えられません。「目標」を言い換えると期待感ですね。「お子さんにどんな期待してますか?」と聞くと、「さあ……」という人も多いのです。
じゃあ、逆に「どんな子どもだと思っていますか?」と聞くと、「ぐずな子なんです」と言う人がいます。両親の間だけで言うならまだしも、子どもに対しても「あんたってぐずやなあ」と言っているとしたら大問題です。それは「ぐずな子になってほしい」という期待感をもっていることに等しいからです。
同じ期待をするなら、いい子になってほしい、幸せになってほしいというプラスの期待を寄せることです。「さすがパパの子だね」「おりこうやね」「よう頑張ってるな」などと、どんどんいい言葉をかけてあげてください。
えっ? そんな急にいい言葉って使えない?
そういうときのための魔法の言葉がありますよ。それが日本語の「ありがとう」です。その意味だけでなく、この音の響きが脳にいい影響を与えるのです。この言葉を使えば使うほど、お母さんも子どもも元気になっていきますよ。
そしたら私も目標、つくって頑張ろうかなあ。うちの子は素質があるから「おもろい子」に育てます!先生、「ありがとう」!
言葉はイメージを生み、イメージは感情に影響を与えます。
「ピグマリオン効果」ってご存じですか? ギリシャ神話です。
ピグマリオンという才能豊かな若い彫刻家がいて、愛の女神アフロディーテをモデルに女性像を彫刻し、傑作をつくりあげました。その像があまりに美しかったので、ピグマリオンはその像に恋をしたんですね。彼は毎日毎日、彫刻に命が宿ることを祈り続けました。そしてとうとう仕事が手につかなくなり、もし彼女が手に入らないのなら、崖から飛び下りて死んでしまおうとまで思い詰めてしまいました。
そんなピグマリオンの熱意に打たれたアフロディーテはその女性像に愛の矢を放ちます。愛の矢は心臓に当たって、たちまち女性像は本物の女性になりました……。願えばかなうというギリシャ神話ですね。
これをミュージカルにしたのが「マイ・フェア・レディ」です。
言語学者のヒギンズ教授が見すぼらしくて粗野な花売り娘のイライザを礼儀正しいレディに仕立てあげていくというストーリーです。
イライザが汚い言葉づかいをすると、まわりの人も見すぼらしい花売り娘なのだという見方をするので、それらしい扱いをし、どんどんそれらしく見えてくる。ところが、同じイライザがレディのように服装を変えて、言葉づかいを変えると、「あっ、レディだ」「素敵な人だ」という人々の期待が寄せられて、彼女はどんどんレディとして洗練されていく……。
アメリカというのはすごい国で、このピグマリオン効果の実験をやったんですね。実験をしたのはローゼンタールという心理学者です。
ある小学校のクラスで知能テストをしました。「このテストは将来の学力の伸びが確実に予測できるものです。まだ研究中なので結果を教えることはできませんが、先生にだけ、将来伸びる子の名前を教えましょう」ということで、A君、B君、C君は優秀、一方、X君、Y君、Z君はダメな子だと担任教師に話したんですね。すると1年後にどうなったか。
A君、B君、C君はグンと成績が伸びて、やさしくて人間的にも優れた子になった。ところが、X君、Y君、Z君は成績は落ちるわ、心はどんどんすさんで、悪い子になっていったのです。
心理学者はごく普通の知能テストをして、優秀な子とそうでない子を無作為に選んだだけでした。実力で知能のいい悪いを判定してはいないのです。それでも、心理学者の評価を聞いた担任教師は、できる子と悪い子を分けて、それぞれに肯定的な期待、否定的な期待をした結果、子どももその期待に応え、それだけの差がついたというわけです。
要は人間というもの、期待されたら、よかれあしかれ、それに応えるようになっていくということなんです。ですから子どもに対して良い期待をもち、その子の長所を伸ばそうという温かい態度で接していれば、子どもはきっといい方向に伸びていきます。私はそう信じていますよ。









